2008年6月28日土曜日

今夜傷を癒すため、何時もの店へ

今夜の風は私の心に、ほんの少しの擦り傷を残し消えていった。
そう、深夜の8時から10時までの間、私はクライアントの依頼でうお熊にいたのだ。
昨夜から新たな宿題になったファイアーサイド青+、スローパーのゴールを両手で保持する。
それが今夜の仕事の内容だ。
私は右手でスタートホールドを抱え込み、左手を伸ばす。
そこにはアンダー気味の模造手掛りが私の肉体をしっかりと支えるために存在している。
保持しつつ右手・左手と交互に伸ばし、少し遠いワルサーP38のグリップとは正反対の石に手を掛ける。
この石を渾身の力で抑え込み、デッドポイントでマリアの瞳の色の横引きガバに飛びつく。
引き付けた瞬間、足が宙を舞う。建築用合板にビブラムのソールがくい付く。
私は己の足の接地感をしっかりと確認し、そこに幼い日の記憶のような安堵感を覚え
次のダイヤモンド型の模造岩石を右手で掴む。
足の位置をしっかり確認し、静かに体を左に移す。琥珀のホールドは最終的な足位置を決めるための仮の支点に過ぎない。
足を置き換え、最終ホールドへ左手を出す。
私の愛器バーミンガム・スモール・アームズよろしく、しっかり手のひらに収まった最終ホールド。
後は、体が振られないように右手を添えるだけだ。
これでクライアントに、よい報告ができるだろう。

ったら、ダメじゃん。両手持ちできねぇ。足は切れるわ、手は離せないわで、ゴールゲットならずさ。
せっかくハードボイルドに登ってんのに落ちたら何時ものオイラに逆戻りさ。
フンフン、ガッカシだぜ。

ちゅうワケで、うお熊10連登。新たな課題ゲットはならずでした。ヨカくないヨカくない。

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